典型的な昭和生まれの平成育ちおっさんが語る、金のリアル
満たされていた幼少期から転落の思春期
俺は幼少期、親が自営業でそれなりに裕福な家庭で育った。
あわせて時代は高度経済成長とバブルで、世間には金が溢れていた。

俺もその恩恵を受けて、大人たちが乱舞させる金にあやかった生活だった。
超合金のおもちゃ、ゲーム機、プラモデル、何でも買い与えられた。
今なら、推し活グッズにSwitchやプレステ5、スマホにゲーミングPCみたいな感じだろうな。
最近の同窓会で初めて聞いたが、ガキの頃は俺の家を「寅史王国」みたいに呼んでたそうな。
自宅の2軒隣がオモチャ屋で、新しいものは何でも買ってもらってた。
ところが高校生になった頃くらいから、事態は変わってくる。
飲食店をやってた親父が家を空けることが増えた。浮気だった。
元々親父の料理で回っていた店を、母親が背負うようになり、家計は苦しくなった。
そして思春期の俺の欲しいものが、玩具からゲームソフトと変化していき、16歳の頃に尾崎豊を聴いてた頃にはバイクで頭がいっぱいだった。が、、、家には金がない。
そう、、、あんなに潤沢にあったはずの金がなくなっていた。
金欲しさモノ欲しさの過ち
金が無いけど、バイクに乗りたい。
俺の部屋で流れていたのは尾崎豊。
「盗んだバイクで走りだす——。」
この当時これは本当だった。リアルな社会問題だった。
親や社会に不満のある俺達。つまり、「親ガチャ」や「オワコン(社会や国が)」と希望が持てない連中が、闇バイトに手を染めるのと、理屈は一緒。
俺がバイクを盗んだ理由はシンプルだった。
「どうしても欲しかった。でも金がなかった。」
たったそれだけの理由で、犯罪に手を染めた。

今なら、SNSで「闇バイト」「高額バイト」なんてワードを見て、トー横や歌舞伎町に流れる若者がいる。
「金がない、でも欲しい」
「今が苦しい、だから仕方ない」
「どうせバレない、誰かがやってる」
俺が間違った選択をした理由と、今の時代に犯罪に手を出す若者の理由は、何も変わらない。
「俺のせいじゃない」「世の中が悪い」「みんなやってる」
目の前の金の無さに、誰でも心が揺れる。
違うのは、俺の時代には 「DM一つで違法バイトに誘われる」 なんてことはなかったってだけ。
例えばこうだ…
売春、援交、パパ活、トー横…時代とともに名前は変わる。
公衆電話が携帯電話になり、ケータイからスマホへ。
テレクラが出会い系になり、メッセージがメール、LINE、DMへ。
でも、やってることは「男女の売り買い」
時代と呼び名は変わっても、本質は何も変わっちゃいねぇ。
バイクを盗んで乗り回し、あっという間に俺は捕まって、家庭裁判所にも行った。
尾崎豊の歌が俺の現実だった、尾崎の「15の夜」や「17歳の地図」を聴きながらバイトをして弁償し、保護観察をつけられ罪を償った。
暴走族もこの頃に辞めた。バイクの準備や上納金が馬鹿らしくなっていた。
本来なら「もう終わりだ」と思うべきだったが、思春期な俺はまだまだこれでは終わらなかった。
この時俺は…
人生の転落の入口に立っただけだった
反省なき俺のアオハル
バイクの窃盗や傷害で警察に世話になってた俺は、親や世間から『反省しろ』と言われていたが、若い頃の俺にとってそれはただの雑音だった。悪い事ってのは分かってもやるし、分からなくてもやる。
人間の行動には必ず「する理由」があるのを今の俺は理解している。
当時の俺達には「悪い事をする理由」みたいなのがあったと思う。
今の若者がトー横に流れて、特殊詐欺の受け子になり、出し子になり、人生詰んでいくのと、俺は何が違ったんだろうな…、そして、気づけば悪い遊びや犯罪から抜け出せなくなる。最初は小遣い稼ぎのつもりが、“逃げられない” ことに気づくのは後になってから。
振り返れば、俺の人生こんなのばっかりだった。

間違った選択の先にあるのは、未来じゃなくて、人生の終わり。
それを知るのはもっと後の事になるわけだが、バイクの窃盗事件から2年。
謝罪はしたが、心のどこかでは「金さえあれば…」と、自分のしたことを金のせいにしていたと思う。
「この時、金があったらバイクを盗まずに済んだのか?いや、違う。金があっても俺は満足しなかっただろう」
そして俺が18歳の時に、親が離婚し生活はさらに貧乏になった。
クソな人生の原因を両親の離婚や社会のせいにした俺
「貧乏になったのは親父とお前のせいだ!」と、離婚した母親に当たり散らかしていた19歳。
今の時代なら、親ガチャ外れたって言ってるだろうな。でも違う。ガチャを回したのはクソガキの俺自身だった。若い頃は本当に他責ばかりで、物事から逃げまくっていた。

時代は違えど、今の自分の状況を親や社会のせいにしているZ世代やミレニアム世代は多い。
ましてや、これまでもゆとり世代やさとり世代も同様に、「不景気だからだ」と常に言われてきた。
俺もそういうタイプの人間だった。価値観や金の使い方が変わっても、人は同じことを繰り返す。結局みんな同じ道を通る事をここでは理解して欲しい。
流行やトレンドは変われど、人間の行動パターンなんて、そう簡単に変わるものでは無い。
時代や価値観によって金の使い方が変わっても、結局人間は同じことを繰り返す。
歪んだ価値観が「金」への執着を作った
「結局、金さへありゃぁいいんだよ」
母親の稼ぎも悪く、俺もバイトが長続きしない。
結局父の実家からの仕送りをあてにしながら、生きる日々。
仕送りと言えば聞こえが良いが、元父親の実家に媚びてただけだった。
俺は 「とにかく金が欲しい」 と思うようになっていた。
バイトも長続きしない。もう家にいたくなかった。中洲に行けば、金が手に入ると思ってた。

そして、家を飛び出して稼ぎの良い歓楽街、福岡の中洲で住み込みの夜の仕事についた。
高校は出たが、実質中卒レベルで…どの会社に行っても通用しなかったし、車遊びや夜遊びや女遊び、パチンコやパチスロから抜けられず、とにかく割の良い仕事をする事が基本だった。
高級クラブのウェイターとホストに就く。「ちょいワル」くらいだったのが、“ガチのクズ” になっていった。
気づけば、“金を稼ぐ” じゃなく、“金をどうチョロまかすか” を考えるようになっていた
父の実家に行って、祖父母には『仕事を探してる』と言って、生活費をせびってた。
でも実際は遊びやパチンコで消えてた。
金を持ってる年寄りにすら、俺は逆らえない…。
そこで俺は “金を持ってる奴が成功者” ということを、嫌と言うほど思い知らされることになる。
20代の俺は さらに深く「金=成功」 という価値観にどっぷりハマっていく──。
金があれば何でも手に入る。そう信じてた。カッコいい車、ブランド品、豪華な夜遊び…それらを持っているだけで、”俺は上に行ける” と思ってたんだ。でも、実際はどうだったか?
本当の意味での成功なんて何も分かってなかった。ただ、その場しのぎで “イケてる自分” を演じるために、金を使い続けてた。それが虚栄心や単なる見栄、今で言う「自己承認欲求」だったなんて気づくのは、まだまだ先の話だった。
そして、俺は本当の破滅へと進んでいく——。
当時、どんな生活をしてたのか?馬鹿な金の使い方
俺の20代は「見栄と勢い」 で突っ走ってた。
いくら稼いでも、手元には何も残らない。ジワリジワリと増えていくのは借金とローンの数だけ。
財布なんて使わず、給料袋のまま持ち歩いて、中身を毎日ジャブジャブ使ってた。
今なら?みんな電子マネーやスマホ決済でスマートに管理してる。
でも、あの頃の俺は、給料日には “カバンに札束詰めて夜の街へ” って感覚だった。
キャッシュレスなんて今は言うが、当時の俺の「キャッシュレス」は金(キャッシュ)がない(レス)って意味だったろうな(笑)。
当然、行き着く先は、破滅一直線。
車への浪費
当時の車は今と違って“移動手段” じゃなく、“ステータス” だった。
それも、単なる高級車ではダメ。燃費なんて悪い方がカッコいい。
そして若い俺には、“いかに改造してイキるか” が最優先だった。

• 18歳でソアラを購入(改造費込200万 / 当然ローン)
※車両保険が年間60万。今なら高額サブスク5年分だな。

• シルビアS13をドリフト仕様にカスタム(車200万 改造費120万)
※20歳の記念に80万のローンを保証人なしで組む。アホすぎる。
• V8クラウンをVIP仕様にして乗る

• 24歳で憧れのマークⅡツアラーV購入(車300万 改造150万)

ガソリン代もないくせに、深夜の峠でぶっ飛ばす。
当然、ドリフトでタイヤの溝もすぐダメになるから、深夜にガススタの廃タイヤを漁った。
新品なんて買えたもんじゃなかった。
毎日がその日暮らしで、「1万あったら飯食ってナンパしてカラオケ行ってヤれる!」
そんな感覚でしか生きてなかった。
なけなしの金で、ガソリン2000円分入れて、繁華街でねーちゃんをナンパ。
カラオケに居酒屋にホテル代…アホ程金が飛んだ。
なのに、モテたのは 「金のあるやつ」だけだった。
※ちなみに当時は「円高還元」なんつって、輸入品やガソリンがバカみたいに安くなっていた。
ガソスタでバイトしていた俺は1Lだいたい80円くらいで給油できてた。
価格破壊なんて単語が生まれたのもこの頃。俺の場合は別の意味で破壊してたけどね。
今の時代、若者の車離れなんて言われてる。
カーシェアやサブスクで賢く乗るのが主流だし、“移動” はコスパ優先。
でも、俺たちの時代は 「クルマ=人生」 だった。
※人生なんて言いながら、当時乗ってた車の燃費はだいたい5km/1Lくらい。
ドリフトやゼロヨン、夜な夜なエンジン掛けっぱなしでナンパしたり、満タンなんてとても出来ない。
俺も車もその日暮らし、車検切れで乗り回す仲間も多かった。そんなパンチのある世界。

今の10代、20代に聞いてみたい。
これほどの情熱を向けれる事って何だ?ゲーミングPCか?推し活か?でも、”課金” するのは結局一緒なんだ。
考えてみれば今の若い子は、こんなに無理して金使って生きようって感覚も無いのかもな。
でもね、価値観が違うだけで注げる情熱なんて、きっと変わっちゃいないんだよ。
俺が今20歳とかなら、FiveMでグラセフのゲーム配信しながら、ワルになった気分で最強のゲーミングPC並べて、オフ会で女口説いて…結局似たような事しかしてないだろう。
ステイタスと性欲、見栄と自己承認だけが常につきまとい、俺を苦しめていた。
今の時代も、 ”バズり”や”いいね” の数に振り回されてるやつ、いっぱいいるんじゃねぇか?
でも、俺はここで”浪費”に気づかなかった。『金が足りないのは稼ぎが少ないからだ』と、完全に間違った答えを出していた。
ファッション&ブランドが俺を良く見せる
俺にとって、服は鎧だった。
「何を着るか」より「どう見られるか」がすべて。
ドラマや雑誌、仲間内で常に”流行”を追い求めた。
• DCブランド、ストリート、サーファー、アメカジ…毎月ジャンルを変える
• G-SHOCKのレアモデルを転売しながら、自分用もキープ
• クロムハーツを買っては売り、また買うの繰り返し。結局手元には何も残らず
• 「金ないからHERMESのベルトだけ買う」←センス皆無
でも、現実は280円の吉野家、290円ラーメンで食いつなぐ日々。
「HERMESのベルト巻いて、吉牛大盛り」 とか、今思えばダサすぎて泣ける。

今の時代は?
ファッションは”高級ブランド”よりも 「自分らしさ」 にシフトした。
古着のリバイバルもそうだし、“推しTシャツ” だって立派なステータス。
まぁ、最近はユニクロやGUでコーデしてれば、”無難”という事になるよね。
ある意味「無難」こそが今のベースのステイタスなのかもな。
でも俺の時代は違った。
「高いものを持ってる=成功者」 って価値観に囚われてたんだ。
確かに、俺たちの時代に比べれば、今の若い子は“金の使い方” はずっと賢い。
でも結局、何かに”ハマる”構造は変わってない。
俺は車とブランドと女にぶっ込んだ。
今の時代は、推し活・ゲーム・サブスク・NFT・ガジェットにぶっ込む。
時代が変わっても、人間の行動は変わらない。
違うのは 「ハマるもの」だけだ。
結局、俺は ”自分が評価されないのは見た目や持ち物のせい”だと信じ込んでいた。
結局、どれだけ金を使っても、自分の価値は何も変わらなかったんだよな。
ハマるものは変わるけど、人間はそう簡単に変われない。だから今、あの頃の俺と同じ道を進んでるヤツがいるなら、このブログで”気づき”を知って欲しい。
俺の馬鹿な過去を笑ってくれ。けど、これを読んだお前が“気づけた”なら、それでいい。
俺の目的は、若い奴や同世代が俺と同じバカをやらないこと。
過去の俺みたいに、“気づけないまま”沈んでいくやつを少しでも減らせたら、それでいい。
その結果どうなった?
破滅的な終わり無き借金活動
23〜24歳の頃には、もはや“終わり”が見えていた。いや…誤魔化して見ないフリをしていた。
案の定、破滅コースまっしぐら。
それでもまだ、俺は「なんとかなる」と思ってた。酒を煽って女とヤッて現実と向き合わず、「なんとかなる」と問題の先送りを繰り返していた。
でも気づいた時には、借金1000万を超えていた。
💳 (クレカ→消費者金融→闇金ルート)

※知ってる人も居るだろうが、この時代は運送業や水商売なら普通にこのくらいの借金はできた。恐ろしい時代だった。金利も取り立ても地獄の鬼のよう。
今じゃ考えられないだろうけど、今ならハイレバでFXしたり、ゲームに廃課金したり。
ホストにツケで飲んだりとか、そういうのと変わらないかな。
時代的に金額がヤバいのが玉に瑕だけど。
無職になり、ゲーセンで時間をつぶす日々
最初はまだ余裕があった、、、いや余裕が無いのが怖くて、「余裕のフリ」をしていた。
「まぁ、ちょっと休憩だろ」くらいに考えてた。
でも気づけば、やることが “ゲーセンで時間を潰す” しかなくなってた。
💸 パチンコ行く金すら無い…。なんならゲーセンのコインを持ち込んでパチ屋でスロットした事もある。
💸 ゲーセンのメダルで遊んで、無くなったらベンチで携帯で金づるの女を呼び出すだけ。
💸 それすらも無理になったら、ひたすら街をウロつくだけ。金になるアンテナを探して。

「ヤバいな…」とは思った。
でも、その頃の俺は ヤバいことを考えないようにする技術 だけは身についてた。
金が尽きると “とりあえず明日考えればいい” って先送りする。
目の前の問題を見ないようにして、ひたすら時間を潰すだけの毎日。
ガチで金が無くなり、実家に泣きつく
そして、とうとう “本当に終わる時” が来た。
イキって買ったヴィトンの財布の中。
消費者金融のカードと、歯医者の診察券、、、まさに “終わり” の状態だった。
このブログを見てくれてる人にもそういう時間あったんじゃないか?
金無くなったり、何かで挫折してスマホでダラダラショート動画見たり、ネットニュースに過剰に反応して誹謗中傷のコメントしたり、5ch(昔なら2chだな)に入り浸ってマウントトークして逃げたり。
どの時代も「終わってるヤツ」ってのは変わらない。俺もその1人だった。
嘘つきは特殊詐欺のはじまり
もう誤魔化せない。
誰かに頼るしかない。
選択肢は離婚した父親の実家の祖父母しかなかった。
離婚が原因で出ていった「哀れな孫」という立場を利用して、金をせびっていた。
でも、ただ「金貸してくれ」と言ったところで、祖父母が金を出すわけがない。
だから俺は 泣きの嘘をついた。
😢「ちょっとしたトラブルで一時的にお金が必要なんだ」
😢「あと少しで立て直せるから…」
😢「本当にこれが最後だから…」

自分の実家に本当の「オレオレ詐欺」や「特殊詐欺」をやった。
何度も何度も繰り返した。
半分は詐欺、半分は自分のための “自己洗脳” だった。
📌 でも本当は…
・“立て直せる” なんて嘘だった。
・“最後” なんて、何回も言ってきた。
・本当の俺は、“どうすれば借りれるか” しか考えてなかった。
もう 息を吐くように嘘をついていた。
実家にも母親にも、仲間や女にも、、、そして自分にも…。
嘘という代償が金になる。若い子にもそんな感覚のヤツ居ないか?
「これがあればうまくいくんだ」みたいな錯覚で、親にせびったり親のカード使い込んだり。
仕事に行ってるよ!と言いながら、街を彷徨いて身体を売ったり、詐欺や盗みに加担したり。
あえて言おう。特殊詐欺なんて今に始まった事じゃない、昔から家族や親戚騙して金を取るなんて普通にあったんだよ。
「借金返すために借金」 → 負のスパイラル
で、嘘で作った金は湯水のように消える。
当然のようにまた金が足りなくなる。だから、また借りるしかない。
実家への嘘は「借金を全部返済してやり直すよ!」が多かった。
実際には返済するのはまた借りるための伏線で、100万の枠を返済したらまた100万借りれる。
つまり実家に100万借りれば、更に100万手に入るみたいな変な感覚に陥っていた。
そして複数社から借り入れる事で、「リボ返済分だけ返済していれば無限に借りられる」みたいな状態だった。
🔄 アコムで借りた金を、武富士へ。
🔄 武富士で借りた金を、レイクへ。
🔄 そして最終的には、闇金へ。
🌀 もう止まれなかった。
🌀 金が減るスピードが早すぎて、感覚が狂ってた。
🌀 100万円くらいなら「まぁ、少しはなんとかなるか」ってレベルになってた。

何より最悪なのは、そんな状態なのに 「俺はまだ大丈夫」 と思ってたことだ。
ファミレスでたまに合う親友との会話。
借金ですら、“自慢” になってた。
📌「俺、もう1000万超えてるわ(笑)」
📌「いやー、マジで人生ヤバいってw」
📌「そのうちどうにかなるっしょ」
※この親友は俺とは真逆で仕事も恋愛も真面目。たまに夜遊びや風俗に行く程度。
コイツの話はコイツの話でまたドラマのような人生だから、いつかこのブログで書く。
冗談みたいに言いながら、本当は焦ってた。
でも、その焦りと向き合うのが怖すぎて、考えないようにしてた。
友人もそれを気づき始めていた。
酒・女・バイト —— 現実逃避のためにハマったもの
金が無くなるほど、俺は 現実を直視できなくなった。
その逃げ場になったのが 酒と女とバイト。
今なら手軽なハッパや薬物、最低でもヤバめのリキッドに逃げたんだろうな。
酒に逃げた
16歳の頃からスナックに通ってたが、美味しいとは思っていなかった。
本格的に「酒」として飲み始めたのはこの頃。
最初は「飲める男になりたい」って見栄だったが、次第に “飲まなきゃやってられない” に変わった。
- パチスロで負けて女の家で酒浸り
- 毎晩の晩酌、ナンパにコンパ、飲み会、潰れるまで飲むのが当たり前
- 借金してでも酒を飲む → 酔っ払ってさらに無駄遣い → また借金
まさに負のループだった。

だけど酒は俺を忘れさせてくれた。
女を金づるにする
酒を飲む場所が増えた分、女との関係も増えた。
ただ、付き合うってよりも 「いかに利用するか」 だった。
- タクシー代を出させる
- 食事や遊びを奢らせる
- ひどい時は借金の肩代わりさせる
正直、女に依存する自分も嫌になっていた。

でも「金がないけど遊びたい」という欲に勝てなかった。
バイトを掛け持ちしまくる
女に頼る一方で、完全に寄生するのはプライドが許せなかった俺は、知人からの紹介のバイトをあれこれやった。
割の良い給料が多かったから、バイトの種類もガンガン増やした。
- 居酒屋、キャバクラのボーイ(客のチップ目当て)
- 深夜のガソスタ(油外の出来高給料が良かった)
- 運送業の手伝い(引っ越しなんかは「引っ越し祝」や「ご祝儀」が出る)
- 日雇いの現場仕事(特に解体作業で金目のモノを持って帰ってた)
もっともっとバイトはしたし、朝昼晩働いてその合間に遊んでいた。
今考えると、不思議とバイト先では金を借りなかったな。見栄っ張りだっただけかな。
それなりに稼げるようになったが実際は自転車操業
借金の現実感は多少なりともあって、金は無いんだが適度に入ってくる。
それもそのはず、バラバラと色んなバイトをやってたので、給料日が月に3つも4つもあるわけだ。
• バイト代が入れば飲みに行き、朝まで遊ぶ
• 少し余裕が出ると、パチンコや競馬に突っ込む
「借金があるから稼がないと」と言いながら、稼げば稼ぐほど、金遣いも荒くなった。
どこまでも底が抜けていく日々
今思えば、全部が全部 “現実逃避” だった。
- 借金が苦しいから → 酒を飲む
- 金がないから → 女を利用する
- それが情けないから → バイトを増やす
- バイト代を稼いでも → すぐ消える
どれもその場しのぎで、結局何も変わらなかった。
この時の俺は、すでに “自分の人生をコントロールできていなかった” んだ。
ある種の「依存症」だったろう。
なにかに逃げて、何かを頼り、何かに依存しなきゃ生きていけない。
そして、決定的な終わりが来る
これが“どん底”なら、まだ良かった。
でも、俺にはまだ下があったんだ。
俺が本当に “終わる” までの話は、もう少し続く。
金の価値観が変わった瞬間
「もうスロットなんてやらない」と決めた日
25歳くらいから、車もナンパも遊びも飽きてきて、気がつけば「パチスロ4号機時代」。
当時の俺は、まるで仕事のように毎日ホールに入り浸ってた。
分かる人には分かる、伝説の4号機の時代。

場違いなドリ車で、パチスロに行く日々。
借金まみれでもスロットをやめられなかった。
良い台を掴めば、その日は5万、10万の稼ぎ。
そんなギャンブルみたいな毎日を生きてた。
借金で手に入れた金を突っ込み、彼女の給料まで使ってた。
ある日、いつも通りホールで先輩と並んで打ってた。
アラジンA、4号機最強の爆裂機。
「先輩、あと1万円貸してくれませんか?」
負けてイライラしてたけど、金が無くなってた俺は、恥を忍んでとぼけたように聞いた。
すると、先輩はこう言った。
「もうお前打つな、車で待っとけ」
その瞬間、俺の中で ブチッと何かが切れた。
何の感情かは分からない。ただ、
「もうこの人とパチスロしたくない」
そんな気持ちでいっぱいだった。
それと同時に、ふと我に返る。
「俺ら、何年やってたんだ?借金増えてるだけじゃねえか!」
自分に怒りの感情が湧いた。
勝った日なんて数えるほどしかない。
それでも「次は勝てる」と言い聞かせて、毎日ホールに通ってた。
その結果、何が残った?
金も無い。未来も無い。彼女の金まで使ってる。
「もう、、、辞めよう」
その言葉を最後に、俺は台と先輩を捨ててホールを飛び出した。
それまでの楽しかった日々が虚しく感じた。
今まで仲間と見ていた景色が、一瞬でくだらなく思えた。
朝一で並んで、大勝ちして、換金して、焼肉行って、風俗で豪遊。
これが楽しくて仕方なかったのに、一瞬でアホらしくなった。
自棄になって、車の運転は荒れていた。
携帯で同棲していた彼女に
「もうスロやめる二度と打たねぇ」と伝えた。
その時の俺は何だか泣いていた。
同棲していた家に帰ると、彼女も泣いてた。
「今まで給料ごめん…もう俺…」って言おうとした瞬間、
彼女が先に言った。
「寅史が気づいてくれて嬉しい」
そのとき初めて気づいた。
“俺は、金だけじゃなく、周りの人間関係までぶっ壊してたんだ” って。
この日から俺は 「もうスロットなんてやらない」 と決めた。
借金で大変な事になっていると気付いた26歳の秋。
けど、本当に人生が変わるのは、あともう少し先の話——。
先輩や悪い友達とつるんでどんどん深みにハマった経験、誰しもあるんじゃないか?
俺はこのパチスロ仲間の先輩が大好きだった。今でも親交がある。
だけど、この時だけはいつものように「俺は悪くない、周りが俺をダメにした」みたいな感覚だった。
20代でイキった代償とは?借金の総額
2002年。
26歳の秋。
借金1365万円。
家には大量のローンの払込票。
財布には、消費者金融のカードが10枚以上。
俺は、その払込票とカードを壁に貼っていった。

「これが、俺の20代の答えかよ…」
今までの人生が、目の前に突きつけられたようだった。
パチスロに狂い、女にすがり、嘘で金を騙し取り、ただ生きるために金をかき集めた日々。
その果てに残ったのは、「何もない自分」だった。
💰 目の前にあるのは、借金の証拠。
💰 俺の人生を食い尽くした”過去”の残骸。
💰 でも、このままなら”未来”も奪われる。
この時、初めて 「もう逃げられない」 と悟った。
金は人生のすべてじゃない。
でも、無きゃ地獄を見る。
俺は、ここで決めた。
「俺はもう、この人生を終わらせる」
今までの俺は、”どう借りるか” しか考えてなかった。
でも、この時から”どう生きるか”を考え始めた。
✔ 「カッコつけるための浪費」じゃなく、「人生を変える投資」をする
✔ 「金で人を繋ぎ止める」のをやめて、「本当に大切なもの」を見極める
✔ 「借金で未来を買う」のをやめて、「自分で未来を作る」生き方をする
俺の人生は、ここから大詰めを迎える。
この借金をどう返し、どう生き直すのか——。
ここでの選択肢が俺の人生を左右する究極の選択だった。
でも、これで終わりじゃない。
この借金を返すための戦いが、俺の20代ラストステージ——。

しかし今思えば、この時の俺はまだ“地獄の入り口”に立っていただけだった。。
これを読んでくれてる人が、俺と同じような道を歩きかけてるなら—— これ以上、間違えんな。
生まれた年や地域が変わっても、人が人生を絶望にする時は皆同じだ。
だけど、そんな「どん底」いる時ほど、まだ選択肢は残ってる。希望はあるって事だ。
とにかく俺は26歳で無駄な浪費とギャンブルから足を洗った。
大きな代償と、終わりの見えない借金だけが、俺の両手に重たくのしかかっていた。
「金をどう使うか」で、人生は変わっていた
俺が過去を振り返って、20代の頃に知っておきたかったことは…
「見栄のための金じゃなく、経験に投資しろ」
って事。
たしかに俺の20代の経験は酷いもんだが、借金さへ無かったら人生の経験としては間違っていない。
実際に金を使わずとも、俺が知った「金の使い方」ってのは、俺みたいな使い方をしなくても学べたはずなのに、俺はそうはいかなかっただけだな。
もっとシンプルに親の言う事を聞いたり、大人の意見に耳を傾けるべきだったし、お金の本質をもっと早く知っていれば、浪費に使ったお金を「確実に投資」する事に使っていただろう。

📌 車やブランドに金をかけるより、スキルを磨く投資をしろ
→ モノは消耗するが、スキルは一生モノ
📌 夜遊びや浪費より、自己投資に金を使え
→ 20代で学んだ知識は、30代・40代で金になる
📌 サブスクや推し活に消える金を、資産運用に回せ
→ FIREしたいなら、まずは「金を生む金の使い方」を学べ
金を稼ぐことより、どう使うか のほうが人生を大きく左右する。
「お前が本当に欲しかったのは、高級車でもブランドでもなく、自信だろ?」
だから今、俺は “本物のカッコよさ” を追い求めている。
🔥 **金があれば人生は変わる。でも、金の使い方を間違えると破滅する。**🔥
それを20代の頃の俺に伝えたいし、今のZ世代やミレニアム世代にも知ってほしい。

これからの発信について
このブログでは、
✅ 50代からの人生リスタート ✅ FIREの本質と間違った自由論 ✅ モノではなく経験に投資する生き方
を発信していく。
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「金をどう使うかで、人生は変わる」
🔥 それをリアルに語っていく。🔥